平成14年・刑事訴訟法第1問

問題文

 甲がラップに包んだ大麻樹脂の塊を飲み込んで体内に隠匿している疑いがあるため、捜査機関は、甲の腹部をレントゲン撮影の上、体内に大麻樹脂の塊らしいものが確認できた段階で、甲に下剤を用いて、大麻樹脂の塊を早期に体外に排出させ、これを押収しようと考えた。
 このような捜査を行うには令状が必要か。必要であるとすれば、どのような令状によるべきか。




答案構成

強制処分か任意処分か?(強制処分の法的性質・・・物理力に限定されるか?)
任意処分なら令状は不要と解されるので問題になる。
物理力を用いない処分でも、人権侵害のおそれのある処分については、令状主義の規制を及ぼす必要有り。 レントゲン撮影も下剤の使用もプライバシーに対する侵害といえるので、令状は必要。

どの令状によるべきか?
物の差押えは、通常捜索差押え令状によるが、体内に存在する物を排出させた上で押収することから、身体検査令状または鑑定処分許可状を使用すべきか問題になる。
判例の基準(強制採尿について)・・・尿のような体外に排出される不要物については捜索差押令状による。この見解に立てば、まったくの異物である大麻樹脂の塊についてもこれによるべき。ただ、下剤の使用は甲の健康状態に悪影響を及ぼすので、医師の手により相当な方法で執行されることが条件とされるべき。




過去問集に戻る  トップページに戻る




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送